ランダムウォーク

数直線上にpy(仮名)が0秒の時点で x=5に立っていたとします。

pyさんは1秒経つ毎に、-1か+1進みます。酔っているのか、この移動は確率的に行われるものとします。また、秒数や位置には寄らず独立に行われるとします。

x=0には、警察署があり、ここに到着すると捕まり、終了します。

x=10には、自宅があり、ここに到着すると終了します。

 

py氏がいずれ家に到着する確率を求めましょう。

 

 シミュレーション

p=0.6で10回

f:id:ayamedaga:20160930030834p:plain

 

p=0.8

 

f:id:ayamedaga:20160930030951p:plain

 

というわけで、p=0.6で9割、p=0.8で10割で帰宅できています。

 

 

これは有名なランダムウォークの一番初歩的な問題です。

計算

 p_x xのときに帰宅できる確率としましょう。

条件から以下のような漸化式を得ます。

 p_x=p p_{x+1}+(1-p) p_{x-1}, x=2,\ldots,8

これは x=1,9でも成立することが分かります。上式から、

 (1-p)(p_x-p_{x-1})=p(p_{x+1}-p_{x})

を得ます。ここから、漸化式を解いて、

 p_{x}=p_1 \frac{p}{2p-1}\{1-((1-p)/p)^x\}

です。あとは p_1を求めましょう。これは p_{10}=1を用います。

 p_1=\frac{2p-1}{p}\frac{1}{1-\frac{1-p}{p}^{10}}

あとは代入して、

 p_5=\frac{1-\frac{1-p}{p}^5}{1-\frac{1-p}{p}^{10}}

これで、問題は解けました。

グラフにすると、

f:id:ayamedaga:20160930034645p:plain

 

というわけで、理論値ではp=0.6で0.883636、p=0.9で0.999983ということで結構妥当なシミュレーション結果だったことが分かりました。